みなさん、自宅の名義変更を自分でやるのって結構大変かな~、なんて思っていませんか?
多少手間はかかりますが、十分に自分でもできますよ!
今回は自宅を奥さん名義に変更する登記手続きを実際に私が自分で行なったので紹介します。
自宅の名義変更の登記とは
みなさんは自宅を購入されたときにその家を自分の名義や配偶者等との共有の名義にして所有権移転の登記、あるいは所有権保存の登記を行なっています。
実際の手続きは購入の契約のときに不動産業者等が代行するようになっているケースが多いと思います。
この登記によて、何かのときに自宅の所有権を第三者に対抗(主張)できるようになっているのです。
今回私は自宅の自分名義の登記を、妻の名義に変更する手続きを行ないました。
その前に重要なことなのですが、名義変更の登記は住宅ローンを完済して抵当権抹消の登記をて行なった後にするのがよりスムーズにできます。
住宅ローンが残っている状態で名義変更の登記を行なうのは非常に煩雑な手続きが必要になります。
抵当権抹消の登記手続きは“抵当権抹消登記を自分でやってみた”で解説していますので参考にしてみてください。
自宅の名義変更の登記を自分でやるメリットとデメリット
デメリット
- 手間がかかる
- 法務局へ行くために会社を休む必要がある
1.手間がかかる
登記申請書やその他の書類を自分で作成したり、何が必要なのかを自分で調べて準備する必要があります。
2.法務局へ行くために会社を休む必要がある
法務局は平日しか業務を行っていないので、平日が仕事の方は会社を休んで手続きに行かなければなりません。
また、不備などがあると別な日に出直しになる可能性もあります。
私はの場合は法務局に出向いて申請を行ないましたが、郵送や“オンライン”でも手続きは可能です。
これらのデメリットは、専門家に依頼すればすべてクリアしてくれます。
もちろん、それなりの費用は掛かります。
メリット
- 専門家に支払う費用がかからない
- 自分に知識が身につく
1.専門家に支払う費用がかからない
不動産に関する登記手続きの代行を依頼する専門家は司法書士になります。
不動産の名義変更登記の司法書士報酬は5~10万円程度です。(事案の内容と司法書士により異なる)
夫婦間の名義変更の場合はあまり煩雑にはならないので安いほうに近い価格で済むと思います。
この費用が節約できるわけですね。
ただし、住宅ローンを完済していない場合や必要な書類が揃わないなどがあると追加料金の可能性があります。
※その他の費用は記事の終わりのほうに記述してます。
2.自分に知識が身につく
一度不動産の名義変更登記の手続きを自分で経験すれば、必要な書類の作成や登録免許税の知識なども身に付き、もし次回不動産関係の登記が必要なときは躊躇なく自分でしようと思うでしょう。
不動産名義変更の登記はどこでするのか
登記手続きをする場所はその家の所在地を管轄する法務局になります。
“管轄する法務局”で調べられますので参考にしてください。
自宅を奥さん名義に変更する場合は優遇措置がある
自宅を奥さん名義する場合でも奥さんに自宅を贈与することになりますので奥さんに贈与税が課されます。
居住用不動産を所定の配偶者に贈与する場合は贈与税課税の面で優遇措置が適用になるのです。
この場合の配偶者の要件とは
◎結婚してから贈与の日までの期間が20年以上であること、実際に奥さんが住んでいること。
これだけです。
これがクリアできていれば、その贈与を受けた居住用不動産の課税価格(固定資産税評価額)から2,000万円までを配偶者控除として控除できます。さらに贈与税の基礎控除である年間110万円の控除も別に受けられます。
つまり、結婚20年以上の奥さんに自宅の名義を変更する場合は原則として2,110万円までの家であれば贈与税はかからないことになります。
なお、上記はその年に奥さんに対して他に贈与がないこと、贈与税がゼロ円でも所定の書類1をそろえて期限内に贈与税の確定申告を行うこと、同じ配偶者に対しては一度しか適用されないことが条件になります。
自宅を奥さん名義に変更する登記手続きの流れをみてみましょう
必要書類
- 登記申請書(以下添付書類)
- 登記識別情報(又は登記済証)
- 登記原因証明情報
- 代理権限証明情報
- 印鑑証明書
- 住所証明情報
登記申請書
今回は、私が実際に行った贈与による所有権移転の登記のケースで説明します。
登記の目的 所有権移転
原因 ○○年○○月○○日 贈与
権利者 受贈者(奥さん)の住所氏名
義務者 贈与者(私)の住所氏名
申請日と管轄法務局
申請人兼務義務者代理人 贈与者の住所氏名および日中に連絡が取れる電話番号
課税価格 毎年市区町村から来る固定資産税課税明細書に記載されている価格です。
一般的に「価格」又は「評価額」と表記されている価格です、「固定資産税課税標準額」ではありません。
登録免許税 課税価格の税率2%の金額
登録免許税を現金納付する場合はその領収書を貼り付けた用紙を、収入印紙で納付する場合には収入印紙(割印や消印はしない)を貼り付けた用紙を、申請書と一括してつづり、綴り目に必ず契印をします。
不動産の表示 土地と家屋について登記記録(登記事項証明書)のとおりに正確に記載します。
不動産番号(登記識別情報による)を記載すればその他の情報は省略でできます。
登記識別情報(又は登記済証)と事前通知制度
登記識別情報は自宅を購入したときに行った自分名義の登記の際に法務局から通知される書類で、不動産業者などを経由して受け取っているはずですが、保管場所が不明で手元に無いという方も多いと思います。
そんなときは、事前通知制度により登記手続きを進めることができます。
まず、登記識別情報(又は登記済証)を提供できない理由を申請書に記載(候補から選択)して法務局に提出します。
法務局の登記官は登記識別情報が提供されていないので、登記名義人に対して本人確認および登記申請があったことと登記申請の内容が真実であれば、所定の期間内に申出るよう本人限定受取郵便による事前通知書で通知します。
事事前通知書を受取ったら、原則として2週間以内に事前通知書の下側にある申出書に登記名義人の名前を記載して返送します。
法務局がこの申出書を受理すると登記の処理が行われ登記が実行されます。
登記原因証明情報
贈与契約書等がこれに当たります。契約書がない場合は、契約の内容及びそれにより権利変動が生じたことがわかる内容を記載した書面で可能です。
代理権限証明情報
今回は、申請人は登記義務者本人になりますので、登記権利者が受ける登記識別情報と登記完了証を代理で登記義務者が受領することを委任する、登記権利者(受贈者)から登記義務者(贈与者)に対する委任状になります。
印鑑証明書
贈与者の印鑑証明書です。3か月以内に作成されたものを添付します。
住所証明情報
受贈者の住民票の写しです。申請書の住所欄に住民票コードを記載した場合は提出する必要はありません。
なお、住民票の写しは、マイナンバー(個人番号)が記載されていないものを提出してください。
申請方法
申請方法は2つあります。
- オンライン申請
- 書面申請
- インターネット経由
- 郵送
オンライン申請は司法書士の方や個人で年に何度も登記事務を行う方向けの方法になろうかと思いますので、この記事では書面申請について説明します。
なお、令和2年1月から書面申請の方法の一つとしてパソコンに「申請用総合ソフト」をインストールして登記申請書を作成し、その情報を管轄の登記所にインターネット経由で送信することができるようになっていりますのでこちらの方法が便利ではないかと思います。
私の場合は書面申請で法務局に出向いて窓口申請しました。いろいろと教えてもらいながら申請書を提出で霧というメリットはありますが、手間はかかります。
申請書の提出後指定された期間経過以降に登記識別情報と登記完了証を受取りに行きましたので、2回法務局に出向きました。
この登記を自分で行なった場合の費用は
- ・登録免許税
-
固定資産課税台帳に登録された価格の2%
- ・交通費、郵送の場合は切手代
まとめ
実際にこの登記手続きを自分でやってみて、それほど難しい作業ではありませんでした。
窓口申請では法務局の方も親切に教えてくれましたのでスムーズにできました、事前に電話での問い合わせにも対応してくれます。
皆さんも時間が捻出できる方は、いろいろな登記手続きをご自分で挑戦されてみてはどうでしょうか。